心臓病は子ども時代から密かに進行している。その1
話が長いので連載にします。
心臓病の予防について、たいていの人は中年になるまであまり考えません。けれども、その頃はすでに心臓はたいへん傷んでいます。新しい調査によれば、子どもにさえ、プラーク(斑点)ができ始めていることがあります。プラークとは、アテローム性動脈硬化性にかかった動脈内膜に見られる斑で、ゆくゆくはそれが心臓発作の原因となる場合もあります。
「つまり、40、50、60歳で心臓発作が起きるのは、たいてい数十年かかって大きくなったプラークが、末期症状を呈したときです」というのは、オハイオ州クリーブランドにあるIntravascular Ultrasound Laboratory at the Cleveland Clinic Foundation (クリーブランド クリニック財団の血管内超音波研究所)の所長、E. Murat Tuzcu博士です。
「私たちは、かかりつけの小児科医に駆けこんで、子どもを検査してもらうよう勧めているのではありません。子どもがもっとバランスの良い食事をし、十分な運動をするよう、両親に手段を講じていただきたいのです」
Tuzcu博士と同僚の研究者たちは、心臓移植を受けた181人の心臓の動脈を、2週間から6週間、追跡検査しました。移植した心臓は、13歳から55歳までのドナーから取られたものです。いずれも自動車事故などが原因で死亡した人で、病死ではありません。
超音波を使用して、研究者はこんな発見をしました。10代のドナーの心臓では、6つに1つの割合(約17%)で、心臓に血液を供給する冠状動脈の少なくとも1本が、かなり大きな障害物、すなわちプラークに冒されていました。
「だからといって、この10代の若者たちが、すぐにも心臓発作を起こすというわけではありません」――この研究論文の主な執筆者であるTuzcu博士は、American Heart Association(アメリカ心臓学会)の会合で発表しています。「病気は子どもが小さい頃、おそらく10代にならないうちから始まり、何十年もかけて進行するのです」
年を取ると、プラークができやすくなります。研究によれば、20歳から29歳のドナーの37%、30歳から39歳のドナーの60%、40歳から49歳のドナーの71%、50歳以上のドナーの85%の心臓にかなり大きな障害物ができていました。
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