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2011年12月10日 (土)

お客さんとけんかしても勝てない

 今はサービスと言う言葉が当たり前のようになって、ちょっとしたお店や会社に行くと社員教育がされているなぁと感じることが多い。

 昔学校のそばにあった文房具店だったら態度デカかった。高いなぁと言っただけで「だったら帰れ」って言われたり、文房具店も何件かあったから「買うならうちで買えよ」って言われた。でも子供の頃は4件もあった文房具店が今は全部つぶれた。安く売っているところが増えたしね。

 社会人になって現場に出る前にまず社員教育を受けて、お客様は神様です的な指導をされた。
 専門的な接客業ではなかったが、お客さんと話をする機会はたくさんあった。何年目か忘れたけど、危ないお客さんがいたので「申し訳ないのですが・・」とやめさせようとした。そうしたら「客に向かって」とキレられた。あくまでもこちらは丁重にしていたが、だんだんエスカレートされた。相手は酒臭く、酔っていた。それで仲間も集まってきて、大騒ぎになった。
 「上司を出せ」という事態になった。直属の係長に来てもらったが、相手の怒りは収まらない。「ここの責任者を呼べ」まで発展した。重役に来てもらったが、それでも収拾がつかない。「社長は札幌です」というと「今日は○○ホテルに泊まるから呼べ」と言って帰っていった。

 メチャクチャ腹が立った。私は悪くない。自分では決して怒って言ったわけではなかった。でも上司も重役も私が悪いと言ってきた。酔っ払いがゴネたことで、会社として悪いのはそっちだろうとなんで言ってくれないのかとさえ思った。

 会社は社長に連絡を取り、札幌から高速道路を飛ばして社長が来た。しかし社長は優しかった。「何も言わなくても良いから」と「申し訳ないが一緒に来てくれ」と言われた。私はスーツに着替えて、社長と一緒にホテルに出かけた。社員旅行だったらしく宴会をしていた。その大広間に通され、小高いステージの上で社長と二人で土下座させられた。話が蔓延していたらしく、罵声を浴びせてきた人もいた。
 しかし思ったよりは長引かず、すぐに許されて宴会場を出ることが出来た。

 それにしても悔しくてたまらなかった。会社の組合に訴えて酒臭い人は禁止させようかとか、知り合いの新聞記者にぶちまけようかとか考えていた。
 ただ社長が札幌から来てくれたことはありがたかったし、原因は私にある。そこで会社に戻る途中、社長に「申し訳ありませんでした」と言うと、社長は「お前は悪くない」と言ってきた。
 私は社長は怒っていると思っていた。しかし、それから話してくれたことは、私の考えていた次元とは全然違っていた。「お前は会社の看板を守ってくれたんだ。礼を言うのはオレの方だ」と言う。「これくらいですむなら何度でも来る」「これがオレの仕事だから」と言われた。社長は私の気持ちを全部わかってくれていた。嬉しくて涙が流れて止まらなかった。

 お客さんとけんかしても勝てない。例えその場で個人的に勝ったとしても、会社の評判を考えたら大きなマイナスになる。
 これが私が学んだことだった。
 この意見が皆さんに対して正しいのかどうかはわからない。友達に話すと、悪いものは悪いと言った方が良いと言う意見もあった。
 また社員教育の仕方も違うだろうし、別な会社に勤めていたら、こんな考えもしなかったかも知れない。

 それにしてもサービス業が多いと思う。私もいろいろなところに行くけど、利用させてもらっているのだから感謝しなければと思うが、お客さんの権利と言うか、お金を払えばなんでも許されるみたいな考えの人もいる。
 逆にこの会社は社員教育しているのかと思うこともある。
 どちらの立場にしても、相手がその場では頭を下げても、相手だって人間なんです。感情を持っています。
 私は顔が見えなくなってから「なんだアイツ!」って思われたくないと思います。お互いに感謝し合えるやり取りをしたいと思っています。

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