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2012年5月21日 (月)

ドタキャン

 ドタキャンってありますよね。
 今日はあいつとご飯食べに行くんだと思っていたら、いきなり「予定入ったから無理」っていうやつ。

 私がドタキャンされて一番腹が立ったのが、私の結婚式だった。札幌の数人の仲間から出欠の返事が来ていなく、直前になると間違いなく返事できると言われた。それで一応来る前提で式場には準備をお願いしていた。前日の夜に電話すると、間違いなくみんなで行くからとのことだった。しかし来なかった。来なかった人たちは何の連絡も来なかったし、会費やお祝いも送ってこなかったので、数名分の代金を負担したのは当たり前の事だ。それより前日に約束したのに、と思った。

 昔は自分もドタキャンの常習犯だった。予定していても気分が乗らないと言うだけで、やめた事もあった。
 ある時も先輩から時間があったら釣りに乗せて行ってくれと言われたので、時間があればと言う返事をしていた。釣りと言っても一緒に住んでいる寮から車で15分ぐらいのところの港で、先輩は車を持っていなかったので、寮の中で車を持っている人の勤務状況を見て声をかけていた。
 だんだんその日が近くなって「頼めるか?」と言われたので、「良いですよ」と答えた。
 しかし、当日になり私はその事をすっかり忘れていた。仕事が予定より早く終わったことで舞い上がってしまったのだ。時間がもったいないと思ってドライブに出かけてしまった。思い切り楽しんできて、お土産まで買って帰ってきた。寮の仲間に楽しかったと言う話をしていた時に、先輩が現れて「お前今日飲みに行くぞ」と言われた。

 少ししてから思い出した。これは説教だなと思った。
 しかし酒を飲みながらの話は、とても穏やかだった。いつものように仕事の話をし始めた。あれ?と思ったんだけど、そのまま仕事の話は続いた。明日お互いに早番だから早めに帰ろうと言われ、店を出た時に私から「今日は申し訳ありませんでした」と謝った。そうしたら、隣で飲み直そうと言われて、焼き鳥屋さんでの二次会になった。
 席に着いて、きっと怒られると思って、もう一度謝った。しかし先輩の言い分は、忘れたと言うのなら仕方がないと言う。今回の一件は忘れたお前も悪いが、俺はお前にとってまだまだなんだなぁと思ったから、俺も反省していると言う。でもこういう小さな約束をいい加減にしていると、後で気がついた頃には信頼がなくなってる物なんだと言う。その時は言葉の意味がわからなかった。

 葬式と結婚式ってわかるかと言われた。どちらも大事な事で行かなければいけない事だ。しかし通夜や葬式はドタキャンがないのに、結婚式はあると言う。それは決めてから時間がないのとある事の違いだと言う。予定がが長い時は決めた時の気持ちが薄れてしまうことがある。なぜ前から決めていた事に対して新しく予定を入れ、そちらを優先させるのだろうか。中には緊急事態でと言うケースもあるだろうし、それは自分の価値観で決めるしかないことだってある。
 しかし前から約束しているのに、その約束を踏みにじるほどの約束って何があるんだろうと思うし、予定があるのなら、そこは埋まっていると言う事で別な日や時間にするべきだ。実はそう言う事って人を軽く見ていると言う事だと言う。
 もしも約束した相手がお前の好きな有名人だったり、エラい人だったり、これを逃すともう会えないと言う人でも、友達に会う約束をしたら、最初の予定を蹴飛ばすのかと言われた。

 目の前で敬語を使い、へりくだった態度をとるだけが、相手に対する敬意ではない。またお前もそれだけで喜んでいる事があるけど、そう言う人間になるな。心の底から信頼されるような人になって、お前のためだったらと言って、時間を作ってくれるような人間になれと教えてくれた。

 私は自分が腹が立った時に、相手を罵倒したり、とにかく自分は悪くない、被害者だと考える事がほとんどだった。
 またそれを相手にぶつけていた。
 しかしそう言われてみれば、よほどの大きなミスであれば覚えているが、約束を破ったことで怒られた事って、意外と覚えていない。
 それより先輩のように、理屈を教えると言うか、指導してくる方が忘れないし、自分がどうするべきかまで教えてもらえる。一発叩かれるよりあとあとずっと効いてくる。
 罵倒するより、教育するのが、先輩の役割なんだと教えてもらった。

 その先輩は生きていれば定年を迎えていたはずだけど、その前に認知症のような症状が出て、仕事を途中で辞めたはずである。私も職場を辞めてから何年か後に行った時には、一目では気づいてもらえなかった。その後認知症がひどくなって、強制退職になったようだ。毎日お酒を飲んでいて、晩年は孤独な生活になり、札幌の親元に行ったと言う事は聞いているけど、会いたくてもどこにいるのかがわからない。

 先輩はプロとしての仕事の仕方、考え方を教えてくれたばかりではなかった。人付き合いが下手だった私を見捨てず、よくかわいがってくれた。地味な人だったが、仕事では理想で目標の先輩であると言いたいが、先輩を超えるとしたら、定年までは無理だろうと感じる。

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