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2012年9月14日 (金)

稲作農家

 旭川ではそろそろ米の収穫時期である。
 うちは両親が稲作農家で、田植えや稲刈りなど忙しい時はよく手伝った。現在では田んぼを人に貸して作ってもらっている。
 親父の時代は多くの場合、長男が先祖代々の土地を引き継ぐ時代だった。親戚の中で長男が家を出て本州に行き、夢だった警察官になった。家を継いだのは三男だった。それでも、当時は長男の事を悪く言う人がいた。
 そんな環境で育ったので、子供の時は農家をしなければいけないのかなと感じていた。
 しかし親父やお袋はいつも「農家は苦労ばかりで大変だ」とこぼしていた。

 親が言っていたことは私のためを思って言ってくれていたのかも知れないし、本音だったのかも知れない。隣近所の農家もみんな大変だと言っている。
 もちろん、今では私も人生の折り返し年齢と呼ばれるところは過ぎているから、若い頃はできたのにと感じることはある。年齢によって気力や体力が衰えると言うのも実感している。農家はある程度体を使うので、体力の衰えはつらいと思う。

 ただ近所の人の話を聞くと、国の政策が悪いとか、農協(JA)がもっと動いてくれないとと言う。
 そんなことが仮に本当だとして、後を継ぐべき人間にまでこぼしていては、それは農家を継ぎたいと思う方が不自然のような気がする。子供の頃は近所に男の同級生が4人いたが、私を含め誰も継いでいない。先輩後輩を合わせても、誰も農家を継ぐものはいなかった。

 この辺りの稲作農家は、稲刈りの10日から1週間ぐらい前に町内会で集まって、作況調査と言う全ての田んぼの予想収穫量を計算するという作業がある。それを調べることによって、JAではどれくらいの米が集まるかがわかる仕組みだ。時には抜き打ち検査が入ることがあり、いい加減なことが出来ない仕組みになっている。それで収穫をして、JAに出荷した量があまりにも違いすぎることがないようにしている。
 しかし、子供の時から比べると農家から米の出荷する時の値段は下がっている。さらには作った米の一部は政府などに行くためと言って安く買われる。農薬や肥料は年々高くなってきている。農家だけでは収入が足りないため、機械化して短時間で終わらせ、作業が終わると別なところに働きに出ている人がほとんどである。ただ機械化をするとお金がかかり、借金を作ってやめるにやめられない人もいる。

 それでも稲作農家は畑作よりも恵まれていると感じている。それはある程度の質のものを作れば、お金になるからだ。それに比べ、畑作はいくら品質が良くても、市場で余っていれば売れないし、足りなければ捨てるようなものでも、お金になることがある。

 しかし、米は農家から買い上げる値段と、スーパーで売られている金額を見たら、ビックリする。米はなぜいろいろなところが絡んでいるんだろうかと思う。長年のやり方で、検査や保管と言う名目で中間流通マージンを取るシステムがある。それなのに食の安全と考えると疑問があるが、自主流通米には検査義務がない。

 そこで、やる気のある農家には農家自体にも自由を与え、逆に営業力をつけさせて、自主流通米をもっと増やせば、農家も収入が上がるし、消費者も収穫したばかりの新米を安く買うことが出来る。
 実際にこの町内で多くの反対を押し切って、この町で一番大きく面積を増やし、できるだけコストを下げ、自分で営業をして米を売り、収益をあげた人がいる。周りではいろいろ言われていたし、米の質についてはコストを下げている分、それなりのものだったようである。しかし現在は農家をやめて、本州とこちらに家を持ち、冬は本州の家に住み、夏場はうちの町内に戻ってくると言う生活をしている人がいる。それが正しいのかは価値観の問題になるが、うちの町内で家を二つも持っている人は、その人だけである。あとは借金があるとか、年金では生活が厳しいのでやめるにやめられないという人もいる。

 長年やってきたことを変えると言うことは難しい。特に年齢が上がれば上がるほど大変なことだと思う。
 しかし、現状に不満があるのなら変える必要があるし、変えられないなら受け入れるしかない。ただ、ルールを変える必要があるところはある。今はインターネットが普及し、自家販売なども可能な時代である。機械は苦手だと頭から反対する人もいるが、以前やっていたドコモのコマーシャルを見ただろうか。お婆ちゃんに見えるほどの女性がタブレットを使って注文を受け、それに従って仕事をしている。それにより無駄な収穫をせずにすむ。注文を受けた必要な量だけで良いのだ。これによってコストが下がり、出荷する側も消費者もお互い良くなっていくはずだと思う。

 流通の仕組みを変えれば、農家は生き残れると思う。農家もネットの時代が来る。

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